未来のあかり株式会社

メニュー閉じる

お知らせ・コラム

ホームロイヤーとは

2025.02.06

コラム

ホームロイヤーとは

「ホームロイヤー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?かかりつけ医を意味する「ホームドクター」の弁護士版といえば多少イメージしやすいでしょうか。弁護士が、何か事件が起こった場合に「点」として関わるだけではなく、継続的に「線」として関わるサービスとして提唱されている制度です。

〇 ホームロイヤーとは

ホームロイヤーとは、主に高齢者や障がい者の方が感じている将来の生活や財産管理等に関する不安を解消するために、法律相談などを通じて継続的な支援を行う弁護士のことをいいます。

ホームロイヤーを利用するためには、弁護士との間でホームロイヤーの利用に関する契約をすることになります。この契約のことを、ホームロイヤー契約といったり、見守り契約といったりします。ホームロイヤーを利用されるのは、ご自身の将来の生活について不安を感じている高齢者であることが一般的ですが、障害のある子を持つ親御さんが、将来的な親亡き後の子の生活について継続的に相談するためにも利用されています。

 

〇 親亡き後対策としてのホームロイヤーの利用 

例えば、障害のある子が両親と共に自宅で生活されている場合、将来両親において子の支援が難しくなってきたときに、両親自身の生活はどうするのか、子の生活はどうするのか、両親に代わりどのように子の身の回りの世話や財産管理を行うのか、どのように子に財産を残していくかなど、様々な課題に直面することになります。

こうした課題に対し、日ごろからホームロイヤーを利用することで、定期的、継続的に、その時々に検討すべき課題について弁護士に相談をすることができるようになります。また、遺言や後見制度などの法的制度についても、適切なタイミングで導入を検討することができるようになります。

〇 ホームロイヤーの内容

ホームロイヤー契約(見守り契約)では、1~2か月に1度、電話やメールなどでご連絡を取り、お困りごとについてご相談をお受けしたり、定期的に面談を行ったりすることが一般的です。

費用に関しては、ホームロイヤーは個人向けの顧問弁護士と言われることもありますが、事業者の方と比べると、少ない負担感で利用いただけるように、月額5000円(+消費税)~利用できる場合が多いです。

〇 他の制度との併用

ホームロイヤーを利用する中で、別途遺言を作成したり、死後事務委任契約を締結したりすることは一般的です(この場合、費用は別途発生します)。継続的に相談を受ける中で、必要な法制度を、必要なタイミングで導入していくことはホームロイヤーを利用する目的の1つでもあります。

また、任意後見契約を利用する場合に、ホームロイヤー契約を併用するということも増えています。任意後見契約は、将来、判断能力が低下して後見制度の利用が必要になった場合に備え、予め後見人をお願いする人を選んでおく契約です。任意後見契約を締結した時点では判断能力があることが前提となっていますから、契約締結から、判断能力が低下して実際に後見人を選任しなければならなくなるまでの間に時間的な差が生じるのが通常です。そこで、継続的に弁護士が相談を受ける体制を備えることで、後見人の選任が必要な時期を見極めるためにホームロイヤー契約が利用されるのです。従前は、ホームロイヤー契約ではなく財産管理契約とセットで利用されることが多かったのですが、任意後見契約時点では判断能力がしっかりしており、誰かに財産管理を依頼する必要のない方であれば、財産管理機能がついていないホームロイヤー契約の利用が望ましいといえます。

 

 

執筆者プロフィール

弁護士 杉山 苑子

お電話、またはメールフォームより、お気軽にご連絡ください

お電話、またはメールフォーム
よりご連絡ください