障害年金の受給事例(1)
前回までは制度についての簡単な説明でしたが、今回から3回にわたり受給事例をお伝えいたします。
軽度知的障がいの再請求の事例
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相 談 者 :請求者Aさんの兄
請求者Aさん:昭和55年生まれ 男性 IQ:56
就労支援施設にて週5日勤務 月収は10万円ほど
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Aさんは、8年ほど前に地域の相談員に支援してもらい障害年金を請求しましたが、不支給決定でした。お兄さんが再請求をしたいとのことで、一緒に相談に来てくれました。
初めてAさんにお会いした時の印象は、おとなしい性格で常にニコニコして可愛らしいとさえ感じる男性でした。小、中学校は周りのみんなのサポートにより過ごしていたと聞いて、学校での様子がわかるくらい優しい雰囲気を持っています。
高校は知的障がい者の通う高校に進学して、卒業後は障がい者枠で就職をしますが、他人とのコミュニケーションが難しく、仕事内容も理解できないことから、すぐに退職をしてしまいました。その後は、母親の再婚相手である義理の父親の商売を手伝ったりもしましたが、Aさんが知らない間に義父の多額の借金を負わされ、その後、義父とも連絡がつかなくなり、アルバイトをしながらその借金を少しずつ返済しなければならなくなりました。
生活の面では、お兄さん家族と一緒に住み、身の回りのことを援助してもらいながら何とか生活が成り立っています。
さて、軽度知的障がいで今もその状態は変わらないはずなのになぜ一度目の請求は不支給となったのでしょうか?
前回の請求を見てみると、原因は診断書の不備でした。
再請求時には、診断書の不備をなくし、受給が決定しました。
現在Aさんは、障害年金を受給しながらずっと同じ職場で安定的に働いています。
障害年金を受給することで、生活や気持ちが安定し、社会貢献が出来ているのです。素晴らしいですね。
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執筆者プロフィール
社会保険労務士 二階堂 麻衣子