障害年金の請求の仕方について
障害年金は、前回のコラムの大切な3つのポイントである、初診日(ポイント1)において保険料を納付していること(ポイント2)、そして障害の状態が障害等級に該当している(ポイント3)方が請求することが出来ますが、その請求の仕方には4つのパターンがあります。
パターン1 障害認定日
パターン2 事後重症請求
パターン3 初めて1、2級の請求
パターン4 20歳前の初診による請求
パターン1:障害認定日請求
初診日から1年6か月経過した日を「障害認定日」といいます。「障害認定日」あるいは、それ以前の「治った日」の障害の状態が障害等級に該当している場合です。その日以降いつでも請求手続きができます。年金の受給は、障害認定日の月の翌月分からです。障害認定日請求は、障害年金の制度を知らずにずいぶん経ってからでもできるのですが、受給できる年金は、請求からさかのぼって最大5年分です。
パターン2:事後重症請求
糖尿病のように長い期間かかって症状が悪化する病気や初診日から1年6カ月経過したとき(障害認定日)には障害等級に該当しなかったが、その後障害の状態が障害等級に該当するようになったときの請求の仕方を事後重症請求と言います。事後重症請求の場合の年金受給は、請求手続きを行った月の翌月分からです。さかのぼっての請求はできません。
パターン3:初めて1、2級の請求
すでに障害があり、その障害だけでは1、2級には該当しないが、さらに障害を負ったことによって、それらの障害を併合して初めて1、2級に該当する場合に請求するものです。この請求が他の請求と違うところは、
1.保険料の納付の要件や加入の要件は後の傷病(新たな傷病B)の初診日で見ること。
2.受給権が発生するのは複数障害の併合の結果1級または2級に該当したときですが、実際に年金を受給できるのは、請求手続きを行った月の翌月分からになります。
パターン4:20歳前の初診による請求
初診日が20歳前でどの年金制度にも加入していないかったときは、原則として、20歳に達した日、または、その後に障害等級に該当している場合は、国民年金から障害基礎年金が支払われます。この場合でも、①障害認定日請求と②事後重症請求の2つの請求方法があります。
初診日が20歳前にある請求は20歳の頃が障害認定日になりますが、初診日が19歳0か月の場合は、20歳6か月(初診から1年6か月後)が障害認定日になります。
なお、20歳前の初診による請求は、本人が国民年金の保険料を納付していない(できない)ことから、障害年金が受給できた際には所得による制限があります。
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執筆者プロフィール
社会保険労務士 二階堂 麻衣子